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「あしたの少女」の感想。ぺ・ドゥナの存在に強いメッセージが・・・傑作の社会派ドラマ!

映画(2023年以前の公開)

映画「あしたの少女」を観ました。社会に対する強いメッセージが込められた傑作で、問題解決の為に何か自分に出来ることはないのか?と考えさせられました。

映画の題材を知り、とても興味がわいて観ました。胸が苦しくなる表現もありますが、今、観るべき映画だと思います。本当に上映する映画館が少なくて残念です。

<映画の評価>
☆7個/8個満点
(*評価の目安:☆6個以上は自信を持ってオススメ!)

これは多くの人に観てもらいたい映画です。

映画「あしたの少女」作品情報

タイトル:あしたの少女
原題:Next Sohee
出演者:ぺ・ドゥナ、キム・シウン
監督:チョン・ジュリ
公開時期:2023年9月1日
上映時間:138分

映画「あしたの少女」あらすじ

高校生のソヒは、担任教師から大手通信会社の下請けであるコールセンターを紹介され、実習生として働き始める。しかし会社は従業員同士の競争を煽り、契約書で保証されているはずの成果給も支払おうとしない。そんなある日、ソヒは指導役の若い男性が自死したことにショックを受け、神経をすり減らしていく。やがて、ソヒは真冬の貯水池で遺体となって発見される。捜査を開始した刑事ユジンはソヒを死に追いやった会社の労働環境を調べ、根深い問題をはらんだ真実に迫っていく。

引用(映画.com):https://eiga.com/movie/98101/

映画「あしたの少女」キャスト

ぺ・ドゥナ:1979年生まれ。
演じる役によって全然違う表情を見せる演技派の女優さんだと思います。
今回は、決して熱血とは言えないが間違った事を許せないという刑事役を見事に演じてました。

日本映画にも多く出演しています。
出演作:「リンダ・リンダ・リンダ」「空気人形」など

映画「あしたの少女」監督

監督チョン・ジュリ:1980年生まれの女性監督。「私の少女」が第67回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、評価される。

前作の「私の少女」
こちらも、相当考えさせられる内容でした!オススメです。

「私の少女」のあらすじ

とある港町の派出所へ左遷された、ソウルのエリート警察官ヨンナムは、母親が蒸発して父親と義理の祖母に虐待されている少女ドヒと出会う。ドヒを救おうと奔走するヨンナムだったが、自身のある過去が明らかにされ、窮地に陥ってしまう。そんなヨンナムを救おうと、ドヒはある決断をする。

引用(映画.com):https://eiga.com/movie/81241/

本作と同じくぺ・ドゥナが主演しています。

映画「あしたの少女」の感想

映画「あしたの少女」の場面写真
引用:https://ashitanoshojo.com/

ここから「あしたの少女」の感想を書いていきます。基本的にネタバレ無しで書いてます。

社会に対する強いメッセージ

この映画を観る前は「女の子が追い詰められていくのなか・・」「観るの辛いな・・」と思っていたのですが、そんな単純な話ではなかったです。

労働力の搾取・加熱する数字の競争・無関心などに対して、もっと敏感になり何か出来る事がないのか?と強いメッセージを投げかけられた気がします!

決して説教臭くなく伝わる事に脱帽です。

考えされる見事な演出と芝居

ぺ・ドゥナ演じる刑事とキム・シウン演じる女子高生の芝居がとても素晴らしかったです。

2部構成になっていて前半はソヒの生活が描かれていて、後半はユジン刑事が背景を追いかけていきます。

この構成にした事によって、ソヒの生活や心情を第三者が知る流れになる。

皆、彼女の死の裏に何があったのか?を見ようとしなかった人達に、ソヒの感情が少しだけ伝わっていくのが、素晴らしい演出だったと思う。

最後に

これは、多くの人が観て、色々考えて欲しいと思える映画です。少しでも興味を持った人には観てもらいたいです。

最後に、公式HPに書かれていた事件の背景についての事を引用しておきます。

実際には自殺直後、スヨンさんの事件はほとんど世間に注目されなかった。コールセンターも学校も教育庁も、表沙汰にならないようにしたからだ。女子高生の自殺を報じる短い記事では、生徒の名前も学校名も業者名も伏せられていた。ところが、ある人権活動家が、この短い記事をきっかけに多数の学校に電話をかけ、スヨンさんの学校を見つけ出し、問題を追及した。
 コールセンターを運営する会社側は、スヨンさんが亡くなって5カ月後にやっと、職場環境を改善すると発表した。過度なストレスを受けないよう、心理カウンセリングなどの対策を講じるという内容だった。それでその後状況が改善されたのか否か、と言えば、このコールセンターでは改善されたかもしれないが、現場実習全体を見れば、否だ。2017年には飲料工場で働く現場実習生が機械に挟まれて死亡、2021年にはヨットハーバーで潜水作業をしていた現場実習生が溺れて死亡するなど、2016~2021年、現場実習でけがをしたり、亡くなった生徒は58人に上るという。
 韓国では労働組合が労働者の人権を守るために活発に活動しているが、現場実習生は労働者とみなされず、「死角」となっていた。
 『あしたの少女』が韓国で2023年2月に公開された当時、スヨンさんの事件について周りの韓国の人たちに聞いてみたが、記憶している人は少なかった。人権活動家の尽力によって当時それなりに報道はされたようだが、私も覚えがない。『あしたの少女』を見て、スヨンさんの事件について初めて知った人も少なからずいたようだ。
 『あしたの少女』公開後、監督と観客の対話などを通してこの問題について共有し、考える輪が広まっていった。それだけではなかった。2023年3月には職業系高校の現場実習に関し、「勤労基準法」の準用を拡大する内容の「職業教育訓練促進法」改正案が国会本会議を通過した。現場実習生の権利が侵害されないよう、業者側の責務を強化する内容だ。映画の影響で現場実習生の保護を求める世論が高まり、この改正案は通称「次のソヒ防止法」とも呼ばれる。『あしたの少女』の原題は『次のソヒ』だ。次のソヒ(犠牲者)を出すまいという監督の思いが形となった。
 ただ、問題は現場実習に留まらない。実は『あしたの少女』と同じような事件を描いた映画が以前にも作られていた。シン・スウォン監督の『若者の光』(2020)だ。これもコールセンターで現場実習生として働く高校生の悲劇を描いていたが、シン監督はこの映画を撮ったきっかけとして別の事故を挙げていた。
 2016年、地下鉄のホームドアの修理中、列車とホームドアの間に挟まれて19歳の男性が亡くなった事故だ。本来は2人1組で作業すべきところを1人で作業していて、列車が駅に入ってきたことに気づけなかったのだ。人件費を抑えようとして起きた人災だ。多くの若者が犠牲になった事故といえば、2014年のセウォル号沈没事故や、まだ記憶に新しい2022年の梨泰院雑踏事故もあった。繰り返されるのは、結局、命の軽視の結果だろう。
 ユジンが暴いていったように、根本的な原因がどこにあるのかを追及し、真剣に対策を練らない限り、また同じような事件・事故が起きるだろう。そういう意味で、映画『あしたの少女』のパワーで「次のソヒ防止法」が通ったことは、大きな成果だった。

引用:https://ashitanoshojo.com/

映画「あしたの少女」配信情報

見放題:無し
レンタル:U-NEXT

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映画「あしたの少女」を面白かったという人には、映画「市子」をおすすめしたいです。

テーマは違いますが、社会問題を扱った人間ドラマです。

詳しくは、下記の記事で紹介しています。

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