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映画「市子」
重く悲しい話だけど、それだけで終わらない素晴らしい映画だった。

新作映画(2024年公開)

映画「市子」を観ました。公開前から評価が高く気になってました。

重い内容らしいので抵抗りましたが、観て良かったです!終わった後にしばらく席を立てなかったです。

「市子」という主人公の事が強烈で離れない。

<映画の評価>
☆6個/8個満点
(評価の目安:☆6個以上はオススメの映画です)

映画「市子」作品方法

タイトル:市子
出演者:杉咲花、若葉竜也、森永悠希、倉悠貴、宇野祥平、中村ゆり
監督・原作:戸田彬弘
脚本:上村奈帆、戸田彬弘
公開時期:2023年12月8日
上映時間:126分

映画「市子」あらすじ

川辺市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川義則からプロポーズを受けるが、その翌日にこつ然と姿を消してしまう。途方に暮れる長谷川の前に、市子を捜しているという刑事・後藤が現れ、彼女について信じがたい話を告げる。市子の行方を追う長谷川は、昔の友人や幼なじみ、高校時代の同級生など彼女と関わりのあった人々から話を聞くうちに、かつて市子が違う名前を名乗っていたことを知る。やがて長谷川は部屋の中で1枚の写真を発見し、その裏に書かれていた住所を訪れるが……。

引用(映画.com):https://eiga.com/movie/99922/

原作は戸田監督が、主宰する劇団で上演した舞台「川辺市子のために」です。

映画は、過去(回想)と現在が入り組んでいて、少し状況を捉えにくかったりするのですが、それも狙いなのかなと思える編集になってます。

舞台だと、どうなってるのか気になりました・・・・・。成立してるのかな?と。

映画「市子」監督

監督:戸田彬弘
1983年生まれ/奈良県出身。チーズfilm代表取締役。チーズtheater主宰。代表作は「名前」「13月の女の子」「僕たちは変わらない朝迎える」「散歩時間~その日を待ちながら~」

戸田監督には申し訳ないが、全然知らなかい作品ばかりだった。おそらく、自主映画や舞台などを精力的に作られていて、自分の表現を若い時から形にしてきた人なんだろうなーと思う。

これからもっと、大きな予算で映画を作って欲しい。

映画「市子」キャスト

杉咲花(川辺市子 役):1997年/東京出身。
劇中で上手い関西弁を話していたので、関西出身なのかな?と思ってしまった。それくらい上手かった。

今まではヒロインや、群像劇に出演している印象が強かったかけど、これから主演作が増えるだろうなぁ。

若葉竜也(長谷川義則 役):1989年/神奈川県出身。
目立ちはしないけど、めちゃくちゃ上手い芝居をする俳優さんという印象です。今回の役にはすごくハマってましたね。
他の出演作:「愛にイナズマ」「ちひろさん」「AWAKE」
私のオススメは「AWAKE」です。

映画「市子」感想

https://happinet-phantom.com/ichiko-movie/index.html

ここから映画「市子」の感想を書いていきます。出来るだけネタバレにならないように書いてます。演出については、少し触れてますよ。

杉咲花が演じる「市子」の強烈さ

この映画の見どころは、市子の人生を演じている杉咲花です。
過酷な幼少期から成長した市子という女性は、どんな事を考えて、どんな事を願っているのかを見事に演じています。

「単純に苦しい人生だったのね・・・」ではなく、その影響でどういう思考をするようになったのか?など、半分ドキュメンタリーを見ているような、生の「市子」が目の前にいるのです。

こんな芝居が出来る女優は、他に居ないと思います。

「マイ・ブロークン・マリコ」の奈緒にも似ていますが、はやり別ものです。
話は逸れますが、こちらも良い芝居してます。

思考を巡らせる構成

これは、好みが分かれる所だと思いますが、時間軸が過去に行ったり、現在にいったりと飛ぶ構成になっています。

過去と言っても、すごい過去の事だったり、少しだけ過去の事だったりするので、観ていて「え?これはいつの話?」と一瞬なってしまう時もありました。私は、嫌いじゃない構成ですが、苦手は人はいるかもしれません。

しかし、この構成は映画「市子」には必要だったと思います。

断片的時間に、彼女はどんな人生を過ごしていたのだろうと推測させられるからです。

突き詰めれば、綻びがでてきそうな事もあります。それでも!この歯抜けになった部分が「市子」の心情を深く描く手法だったと思ってます。

単純に可哀そうだけで終わらない

この映画の良いところは、単純に「市子」が可哀そうな人で終わらないところ

過酷な人生を生きる「市子」とその周囲の人たちとの関わり方が、絶妙な演出だったと思う。ただ単純に悪いという人が存在しているわけではなく、少しだけ欲を持つ、楽な方に流れるという事が重なったんじゃないかと感じた。

なので、他人事に感じられずに、強く印象に残る映画になっているんだと思う。

似た印象の映画

突然、恋人が居なくなったり、知らない過去が明かされたりという点では、似た設定はわりとあるかなと思います。

2022年に公開された映画「ある男」は、死んだ夫が別人だったという設定。これも名作なので、観ていない人には是非オススメしたいです。

そして、これから映画化されるのですが、辻村深月の小説「傲慢と善良」です。
これも突然、恋人が居なくなってしまいます。テーマは、人間関係や恋愛についてがメインなので「市子」とは違うますが、凄く良い小説です。楽しみです。

最後に

とても素晴らしい映画だと思いますが、メジャーな映画と比べて予算不足な印象はありました。こういう強烈に心を揺さぶる映画がある程度余裕のある予算で作らる事を願っております。

例えば、西川美和監督の映画はもっと予算が出るのじゃないだろうか。彼女のデビュー作「蛇イチゴ」は低予算だったかもしれないが、今ではもっと大きな規模で映画を作れている印象があります。

戸田監督もそんな風になって欲しい。

では、またどこかで。

「市子」配信・DVD情報

見放題:Amazon prime

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