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映画
「ストレイト・アウタ・コンプトン」N.W.Aの伝記的映画。HOP好きにおすすめ!

映画(2023年以前の公開)

映画情報・あらすじ

【映画情報】
タイトル:ストレイト・アウタ・コンプトン
監督・製作:F・ゲイリー・グレイ
プロデューサー:ドクター・ドレー(Dr.Dre)/アイス・キューブ(Ice Cube)
公開:2015年12月
上映時間:147分
DVDリリース:2016年6月3日

<あらすじ>

1986年にアメリカ、カリフォルニア州コンプトンで結成された「N.W.A.」は、暴力に走らず、ラップという表現で権力者たちに立ち向かった。理不尽な社会や警察へのメッセージを暴力的なリリック(歌詞)で表現したことから、警察、さらにはFBIからも目をつけられる「世界で最も危険なグループ」へと成りあがっていく。

引用(映画.com):https://eiga.com/movie/82765/

ギャングスタラップの伝記映画

この映画は主に「N.W.A」というグループの成功とその後を描いています。彼らは「HIPHOP」の「ギャングスタラップ」というジャンルの音楽を始めて世の中に示しました。

「ラップ」の歴史を学ぶ上でとても参考になる映画だと思います。私は「ラップ」など全く聞かないし、そもそも音楽にも詳しくない人間ですが、この映画にはとても引かれました。なぜならこの映画の主役は実在する人達だからです。

後に音楽の歴史に名を残す人達がどんな背景があってに集まり成功していったのか?
そして成功の先にはどんな運命が待っていたのか?とても引き込まれる内容になっています。
「音楽を武器として戦う男達の歴史」を見れた!という印象です。

はっきり言って私には「音楽」の良し悪しを判断出来ないのですが、本当に良いものというのは、そういう理屈は抜きにして人を引き付ける魅力を持っています。

Dr.Dreは超すごい!

「よく知らねーよ。だれ?」みたいな思いを抱く人もいるかと思います。しかし上記のプロデューサにもなっている「Dr.ドレ」の影響力なんて結構身近です。

「b」のマークの入ったヘッドフォンを見かけ事はないだろうか?

あれは「ビーツ」というベッドフォンである。かなりの高級なヘッドフォンなのだが、このビーツというのは正式には「ビーツ・バイDr.ドレ」という名前で、この映画の登場人物「Dr.ドレ」が作ったものなのだ。

コンプトンはどんな街

「Straight Outta Compton(ストレイト・アウタ・コンプトン)」は、「コンプトンからでてきたぜ!」って意味らしい。

その映画タイトルにある「コンプトン」っていうのは地名です。アメリカの西海岸にあるカリフォルニア州。そのカリフォルニア州南部に位置するのが「コンプトン」という都市です。

1888年に誕生した都市でロサンゼルスの南に隣接しています。特徴としては貧困の度合いが激しく犯罪率が非常に高い事が挙げられます。殺人事件の発生率は全米平均の約8倍もあるらしい。

面積は26.2k㎡、人口は約9788万人です。東京23区の平均面積が26.88k㎡なので、だいたい1つの区の大きさくらいが超危険な場所になっているイメージです。

N.W.A結成時の背景

映画の中でも描かれていますが、黒人=犯罪者みたいな扱いをされています。普通に道で集まって話しているだけなのにパトカーがやってきて「何やっている?」「手を頭に置いて跪け!」という具合です。

そんな状態なので黒人の若者は自分達の未来はロクなもんじゃねーと思っています。そして、どうにかして抜け出したいと思っているから音楽に自分達の未来を見たのではないでしょうか。

ロサンゼルス暴動

これも映画の中で出てきます。しかも実際の映像もあります。これに限らず、ときどき本物の映像が挟まれています。

これはどんなどんな事件だったか?というと、きっかけは「ロドニー・キング事件」の判決が引き金になっています。
黒人のロドニー・キング氏はスピード違反で捕まえられた際に現場で白人警察官達にリンチされてたという事件です。これは暴行の映像が出回っていて、かなり衝撃的なものだったらしい。暴行した警察官たちは裁判に掛けられる事になります。

しかし!なんと全員無罪判決!
ロドニー・キング氏が現場で暴れたので取り押さえる為に仕方がなかったという主張が認められてしまったのです。映像を見る限りは、あきらかに無抵抗の黒人を白人警官達が暴行しているにも拘らず、このような判決になったのです。その原因は陪審員が全員白人だった為です(これもそうなるように仕組まれたらしい)

これに怒り狂った黒人達は、暴徒と化したのです。これが「ロサンゼルス暴動」1992年の事です。

映画に話を戻しますが「N.W.A」の作る音楽は暴力的で、それを煽っているという理由で世間から問題視されます。しかし彼らは事実を歌っているだけだと主張します。

彼らの中でもっともヤバイ曲とされているのが「Fuck The Police」という曲。これは黒人だからというだけで犯罪者扱いしてくる警察に対して自分達の素直な気持ちを歌っているのでしょう。その影響力は半端なく、ついには「FBI」にもマークされる程にまでなります。

劇中にこの場面があるので必見です。警察に警告された後のライブシーンはとてもゾクゾクします。こんな危険なライブ見た事ないです。 

1986年はどんな年?

昔の事だし色々調べてもあまり自分がピンとこない事が多かったので判り易い事だけあげます。

  • ワールドカップ メキシコ大会ーマラドーナの活躍でアルゼンチンが優勝
  • ビートたけしのフライデー事件
  • 日本では「天空の城ラピュタ」「エイリアン2」「トップガン」が公開

そんなとこです。正直ふーんという印象ですが、今でも出てくるワードとしてはこんな感じです。

危険な男ジュク・ナイト

劇中に出てくる男でもっともヤバイのは「ジュク・ナイト」です。この男は本当の意味でヤバイです。もともとストリートギャングのブラッズの出身で、ボディガードをしているのだがDr.ドレと共にデス・ロウ・レコードを設立し数々のヒット曲を出し成功します。

しかしその凶暴さは、筋金入りで敵対する奴らには容赦なし。暴力事件や殺人事件の関与の噂が絶えない男です。

正にHIPHOP界の悪の帝王です。

今回の映画の撮影時にも、車で人をひき殺してしまっている。本人が出演している訳でもないのですが・・・どういう経緯でそうなってしまったのだろうか・・・恐ろしい。

人間ドラマが素晴らしい

いろいろ背景はあるが、全く知らなくても、全然楽しめる映画になっています。なぜならこの映画には深い人間ドラマが描かれているからです。

人は皆、成功したいし、成功したら調子に乗るし、失敗したら後悔する。そんな単純で普遍的な人間性をちゃんと描いているので全く知識がなくても問題ないです。

それに知らない事がたくさん出て来ても後から調べるとさらに深く楽しむ事ができます。私も「HIPHOP」を深く知る良いきっかけになったと思います。

普段音楽をあまり聞かない私でさえ、サントラ欲しいなーと思ってしまうのだから、ちょっとでも好きな人は必ずサントラを買ってしまうのではないでしょうか。

<映画の評価>
☆5個/8個満点

作品ポスター:(C)2015 UNIVERSAL STUDIOS

では、またどこかで。

配信情報(2023年3月)

見放題:Netflix、U-NEXT
レンタル:AmazonPrime

<サントラ>

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