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「シスター 夏のわかれ道」凄く考えさせれる良質な人間ドラマ。

映画(2023年以前の公開)

中国映画「シスター 夏のわかれ道」を観ました。良質でずっしりとくる社会派&人間ドラマ
「自分だったらどうするだろう?」と考えさせられる映画です。

映画情報

タイトル:シスター 夏のわかれ道
出演者:チャン・ツィフォン、シャオ・ヤン
監督:イン・ルオシン
上映時間:127分
公開:2022年11月

<あらすじ>

看護師として働きながら、医者になるため北京の大学院進学を目指すアン・ラン。ある日、疎遠だった両親が交通事故で亡くなり、会ったことのない6歳の弟・ズーハンが彼女の前に現れる。望まれなかった娘として早くから親元を離れたアン・ランと、待望の長男として愛情を受けて育ってきたズーハン。親戚から弟の養育を押し付けられたアン・ランは、仕方なくズーハンの面倒をみることに。両親の死すら理解できずワガママばかりのズーハンに振り回されっぱなしのアン・ランだったが、幼い弟を思いやる気持ちが徐々に芽生えめる。

映画.com(https://eiga.com/movie/96730/)

ざっくり解説(ぜひ観る前に)

とても良い映画だけど、映画の背景が判らないと??となってしまう可能性があり、とても勿体ないです。私なりにざっくり解説を入れておきます。決してネタバレではないので観る前の助けになれば幸いです。

一人っ子政策の影響


主人公のアン・ランが何故、両親と疎遠になっているのか?というと、女の子だからです。女性は嫁いでしまうので、跡取りがいなくなってしまいます。だから、男の子が良いのです。個人的には古い考えだと思うけど、日本でもそういう考えを持っている人はいます。

ならば、二人目を作れば良いのではと思うかもしれませんが、それが出来ないのです。
中国では2015年まで一人っ子政策が行われていました。子供は一人だけです。
おそらく、二人目を作る為には特別な理由が必要になってくるのです。アン・ランの父親は娘に障害(足が生まれつき悪い)があると嘘の申告をして子供を作ろうとします。足の悪い芝居をしろ父親に強要されます。
アン・ランは父を嫌って、早くから家を出ていたのです。

歳の離れた弟の存在。2015年に一人っ子政策が終わり、アン・ランの両親は子供を作ったのだと思います。その存在をアン・ランが知らないという事なので、相当に疎遠だったのでしょう。

おじさん・おばさんの設定

アン・ランの両親が死んで6歳のアン・ズーハンの面倒は誰が見るんだという話になります。アン・ランは北京に行って医者になる夢があるので拒否します。「では誰が?」という事で他の候補としておじさん・おばさんの存在があります。

(C)2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved 引用:https://movies.shochiku.co.jp/sister/

おじさん(ウー・ドンファン):アン・ランの母親の弟?です。多分、序盤の葬式のシーンで会話してますが関係がよく判らない。名前から推測するに多分、母方のおじさんなのだと思われる。

劇中でアン・ランの父と一緒にエキストラに行ったなどのエピソードを話していて、正直関係がいまいちわからなかった。これから観る人は、セリフ聞き逃さないようにご注意下さい。
関係が判らなくても、あまり影響ないです。とくにかく麻雀ばかりしているダメな人で、離婚していて独り身だけど、とても6歳の子供の面倒がみれると思えない・・・・という存在です。

(C)2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved 引用:https://movies.shochiku.co.jp/sister/

おばさん(アン・ロンロン):アン・ランの母親の妹?です。弟の事をかわいそうだと言っていますが、旦那さんが病気でとても子供の面倒が見れる状態じゃないです。

他に頼れる人がおらず、周囲からは「お姉ちゃんなんだから」と圧力を掛けれれているという状況です。

姉・弟の芝居がマジで凄い

この映画の見どころは、姉と弟とのやりとりです。これに本当に凄いです。
姉のアン・ランは突然、現れた弟を面倒に思い邪険します。自分のやりたい事(勉強・仕事・恋愛)が出来ずにイライラが募ります。一方、6歳のアン・ズーハンは頼れるのは、姉しかおらず無邪気にすり寄っていく。

この2人に芝居がとても素晴らしく、それぞれの想いが良く伝わってきます。子供がいる自分としてはアン・ランに共感する部分もあり、逆に「もっと優しくしてあげればいいのに」と思ってしまう部分もあった。

さらに2人を取り巻く状況も複雑で、なんだから袋小路に追いやられたような、逃げ場がなく「どうすればいいの?」という感情が、溢れて時々爆発している。

子供の芝居が天才すぎる!

6歳の弟役のダレン・キム君は、とても子供とは思えないです。喜怒哀楽の芝居の全てがリアル過ぎます。少しも芝居をしている感じがなく驚きました。

低予算の映画らしく、豪華に作り込んだ感じはないのです。しかし、それが逆に良くて、ドキュメンタリーを見ているような感覚になり、リアルに見えてきます。

まとめ/評価

とても良い映画だと思います。でも関係性などの説明(補足)が公式サイトにあると、もっと話に集中できたはず途中「??」となる事があったので勿体ない。

この映画を観た人は、人生について様々な事を考えるのではないでしょうか?私はこういうタイプの映画が好きなので観て満足でした。

重い映画に思えるかもしれませんが、クスッと笑えるシーンもあります!

<映画の評価>
☆6個/8個満点

では、またどこかで。

作品ポスター:(C)2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved 引用:https://movies.shochiku.co.jp/sister/

配信情報(2023年8月)

見放題:無し
レンタル:U-NEXT、AppleTV+

関連作品の情報

アン・ラン役のチャン・ツィフォンの他の作品にも興味が出ました。これから観てみようと思います。


「ヤンチャな兄どっか行け」

一人っ子政策の影響を描いた別の映画
「最愛の子」(2016年) 監督:ピーター・チャン
<AmazonPrime Video>

<DVD>

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