ブライアン・デ・パルマ監督の血沸き肉踊るほどの大傑作です。興奮すること間違いなし!
<映画の評価>
☆5個/8個満点
(評価の目安:☆6個以上は自信を持ってオススメ!)
映画「ファントム・オブ・パラダイス」作品情報
タイトル:「ファントム・オブ・パラダイス」
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:ポール・ウィリアムズ、ウィリアム・フィンレイ
ジェシカ・ハーバー、ジョージ・メモリー
公開年:1974年
上映時間:92分
映画「ファントム・オブ・パラダイス」あらすじ
作曲家のウィンスローは腹黒いレコード会社の社長スワンに新作を横取りされ、そのあげく麻薬所持の濡れ衣を着せられてしまう。刑務所に放り込まれたウィンスローはのちに脱獄し、スワンに復讐しようとするが、レコード工場で顔をつぶされ、醜い形相に変わり果ててしまう。やがて仮面の怪人がスワンに近づくが……。
引用(映画.com):https://eiga.com/movie/25984/
映画「ファントム・オブ・パラダイス」感想
ここから、映画「ファントム・オブ・パラダイス」の感想を書いていきます。
色あせない魅力
1974年公開の映画ですが、全く古さを感じさせないです。
むしろ新鮮さを感じるくらいの衝撃作です。正直言って、私はブライアン・デ・パルマ監督作品が苦手でした。ちょっと伏線が複雑だったり、長かったりして退屈してしまう事が多かったのです。
しかし、それは近年の話(つまり監督が歳をとってからの話)
この映画はブライアン・デ・パルマの7作目の監督先品です。撮影時は33歳か34歳くらいという、若く勢いのまま撮った作品です。
色んな原作から作られた映画
物語は「オペラ座の怪人」を解釈したものですが、それ以外にもいくつかの原作から作っているらしい。それらを調べてみました。
- 「ファウスト」ーヨハン・ヴァルフガング・フォン・ゲーテの長編戯曲(一部は1808年 二部1833年)
- 「オペラ座の怪人」ーガストン・ルルーの小説(1909年)
- 「ノートルダム・ド・パリ」ーヴィクトル・ユーゴーの小説(1831年)
- 「ドリアン・グレイの肖像」ーオスカー・ワイルドの小説(1890年)
私は「オペラ座の怪人」をなんとくなく知っているくらいでした。しかし、それは映画を見る上ではまったく問題にはならないので心配無用です。知っていれば、もっと楽しめるのかもしれないが、オリジナル映画と思って観ても問題ないです。
92分の映画ですが、あっという間にラストまで持って行かれてしまいます。全てを奪われた主人公の復讐の炎が、一気に燃え上がっていくようです。
美術が魅力的!
私の印象では美術が名作「時計じかけのオレンジ」(1972年)と似ていると思いました。観てない人は是非観てほしいです。もしや同じ人が?と思ったが違いました。
「ファントム・オブ・パラダイス」美術:ジャック・フィスク
「時計じかけのオレンジ」美術:ラッセル・ハッグ/ピーター・シールズ
このジャック・フィスク氏は1945年生まれの方で、映画監督もしているようです。美術としては代表的なの作品を調べてみました。
- 「シン・レッド・ライン」(1998年)
- 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007年)
- 「ツリー・オブ・ライフ」(2011年)
- 「ザ・マスター」(2012年)
近年ではポール・トーマス・アンダーソン監督の作品に関わっているようです。
しかし、いずれの作品も今回のような世界観を見せる美術ではないので、本映画の作風はデ・パルマ監督の考えだったのではないだろうか。
とにかく、原色が目に付く派手は美術である。
また、個人的に気になったのは主人公が被るマスク(上記のジャケットのもの)はフクロウをモチーフにしたものだと言われているが、漫画「ベルセルク」のフェムトとそっくりである。この映画の影響なのか。とにかくあのマスクは主人公の怖さと醜さを演出するにはぴったりのデザインになっている。
音楽も良い!
この映画を盛り上げているのが音楽です。ロック・オペラと言われる本作品には、いたるところで音楽が流れます。しかもこの音楽の全てがかっこ良く、外れが無いです。この音楽を担当したのがポール・ウィリアムズです。劇中にも重要な役として登場しています。本人はミュージシャンであるが、本作品以外にも俳優として出演しています。
余談ですが、この役の見た目が「ルパン三世」に登場するマモーにそっくりだと言われており、この映画を真似たのではないかと噂されています。確かにそっくりです。
では、またどこかで。
映画「ファントム・オブ・パラダイス」配信・DVD情報
見放題:なし
レンタル:DMMTV
<DVD>
サントラも是非!
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