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映画「スポットライト 世紀のスクープ」感想
記者の責任と情熱を描いた正当な社会派映画。

映画(2023年以前の公開)

映画「スポットライト 世紀のスクープ」を観ました。

さすが!アカデミー作品賞&脚本賞を受賞した映画。真面目な映画でありながら退屈させない細かい演出が光っていました。

淡々と描いているのにあっという間に映画が終わってしまいました。

作品情報

タイトル:スポットライト 世紀のスクープ
監督:トム・マッカーシー
出演:マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マグアダムス
日本公開:2016年4月
上映時間:128分
備考:第88回アカデミー作品賞・脚本賞受賞

<あらすじ>

2002年、アメリカの新聞「ボストン・グローブ」が、「SPOTLIGHT」と名の付いた新聞一面に、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載した。社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込むことになる。

引用:https://eiga.com/movie/83636/

仕事ぶりを真摯に描いている

この映画の内容は「ボストン グローブ」という新聞社の「スポットライト」という紙面を担当するチームが取材する姿をずっと追いかけている。

カトリック教会の神父が子供に性的虐待を行っている事を明らかにする為なのですがスクープの内容としてはすごく衝撃的なものです。そして、彼らの具体的な仕事内容は証言を求めて何人もの被害者や加害者を取材して報道する為の裏付けをするという地味な作業です。

もう少しドラマチックな事が起こってもいいのになと思うのですが、これがリアルなんだろうなと感じました。

下手すればただの再現VTRになってしまう内容をトム・マッカーシーは巧みに演出していると思いました。人物のキャラや新しい出来事の出し方などは決して派手にはならずちょうと良いタイミングで出していたと思います。

手柄優先ではない所に好感が持てる

「スポットライト」のチームは、カトリック教会の事を大スクープと感じていながらも、もうこんな事は二度と起こらせてはいけないという使命感で動いているところにすごく好感が持てました。

内容に触れてしまうので避けますが、後半になってその辺が描かれています。

特にマイケル・キートンがすごく良かったです。ちなみにこのスポットライトとは真逆の姿勢を
描いているのが成果主義の映画「ナイトクローラー」です。こちらの映画は撮ったもん勝ちの世界を描いています。

キャスト全員の芝居が上手い

地味な内容でありながらも飽きない理由は、やはり俳優陣の芝居が素晴らしい事にあると思います。
みんなキャラクターを出しながらも、やりすぎない芝居は簡単な事ではないと思います。

主要メンバーだけでなくて、取材を受ける被害者役の人物や神父など少ししか登場しない人達もみんな良い芝居をしていてこの映画を構築している感じがしました。

先ほども書きましたが、個人的にはマイケル・キートンが特に好きでした。 

大きく伝える事の意味

特に素晴らしいと感じた事は「無関心の怖さ」を伝えている事。つまり、小さい記事で報道している事はあまり大きな問題として認識されないという事です。

劇中で描かれていますが、カトリック教会の神父が性的虐待をした事は、今までも新聞で報道しています。しかし、それは小さな記事で終わっていてその後の追加の記事もないのです。

それで世間の認識としては「小さな事」として関心の外に追いやられてしまっているのです。

監督はその辺の事を押し付けではなく、事実としてちゃんと描かれていたと思います。

まとめ・評価

エンタメ要素は、かなり低いです。真面目な映画です。扱っている題材に真摯に向き合った結果としてこのような形になったのでしょう。

ものすごく盛り上がるわけではないので、派手な映画が好きな人は苦手かもしれません。でも描かれている内容はスリリングで腰を抜かすようなものだと思います。

「社会派ドラマ」が好きな人には是非ともオススメの映画です。

<映画の評価>
☆6個/8個満点

では、またどこかで。

作品ポスター:(C) 2015 SPOTLIGHT FILM, LLC

<AmazonPrime Video>

<DVD>

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