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映画
「大いなる自由」の感想
愛する自由というテーマは素晴らしいが、少々退屈してしまった。

映画(2023年以前の公開)

映画「大いなる自由」を観ました。
チラシなどの前情報だけではスルーしようと思ってましたが、評判が良かったので観る気に。

同性愛についてというよりも「人を愛する自由」を描いた映画です。
テーマは良いが地味な演出は退屈してしまった。

<映画の評価>
☆5個/8個満点

作品情報・あらすじ

タイトル:大いなる自由
出演者:フランツ・ロゴフスキ、ゲオルグ・フリードリヒ
監督:セバスティアン・マイゼ
公開時期:2023年7月7日
上映時間:116分

<あらすじ>

第2次世界大戦後のドイツ。男性同性愛を禁じる刑法175条のもと、ハンスは性的指向を理由に何度も投獄されていた。同房になった殺人犯ヴィクトールはハンスを嫌悪するが、ハンスの腕に彫られた番号を見て、彼がナチスの強制収容所から刑務所へ送られてきたことを知る。信念を貫き繰り返し懲罰房に入れられるハンスと、長期の服役によって刑務所内での振る舞いを熟知するヴィクトールの間には、いつしか固い絆が芽生えはじめる。

引用(映画.com):https://eiga.com/movie/98921/

見どころ

「人を愛する自由とはこれだ!」と実直に描いているところ。

ストレートに主人公ハンスの愛する姿が描かれている。同性愛が禁じられている時代に「なぜダメなんだ!」という反抗や闘争があるのかと勝手に想像していたが、そんなシーンは無かった・・・・。

映画の中身は反体制なものではなくて、ハンスの純粋な愛の表現だった。彼は、同性愛者であったが、それを隠す事も恥じる事もなかったように思える。対象が異性だったらハンスは投獄せれる事なく、良い家庭を築いていたのではないだろうか。

舞台は刑務所の中だが、ハンスの心の中には確かに愛する自由があった。彼の目は輝きを失っていない所が印象的だった。

補足

ドイツの刑法175条について、紹介しておきます。観る前に知っておいた方が良いです。

871年に制定された男性同性愛※を禁じる刑法。ナチ期に厳罰化され、戦後東西ドイツでそのまま引き継がれた。西ドイツでは1969年に21歳以上の男性同性愛は非犯罪化され、1994年にようやく撤廃された。約120年間に14万もの人が処罰されたといわれる。
※刑法175条は男性のみを対象としており、女性同性愛はその存在さえ否定されたことから違法と明記されていなかった。

映画公式HP:https://greatfreedom.jp/

ちなみ映画のHPなどを読んでも、本作の主人公が実在したとは書いてない・・・・。
実在した人物を描いているのかと思った。ハンスは想像上の人物のなんですね。

感想

「少々退屈だったな・・」という感じです。

テーマは、素晴らしいのですが、舞台が基本的に刑務所の中が殆どで変わらないのです。セリフなども必要最低限で状況を詳しく説明する描写も無いので推察するしかない。

さらに、年代が行ったり来たりして、現在なのか回想なのかが判断しずらいのです。観ている側が能動的に情報を拾いに行く必要があるのが辛い。

テーマも役者も素晴らしいのですが、もう少し物語に山場を作ったり、退屈にさせないシーンがあっても良かったと思います。

かと言ってエンタメ要素を入れると伝えたいテーマの芯がぼやけてしまうので、バランスが難しいところです。最後に紹介している映画「フィリップ、君を愛してる!」みたいになってもね・・・。

あまりにも真面目すぎて、2時間近く愛について語られているようで少々疲れました。

まとめ

私は退屈してしまいましたが、とても評価が高くて映画館には、お客さんが多く入ってました。
なので、観て損は無いと思います。ラストシーンの切なさは秀逸です。

ただし、普段エンタメ系のメジャー映画に慣れている人が、観ると辛いだろうなと思います。
丁寧な説明や派手な事は無いので。万人受けする映画ではないのでご注意下さい。

全然違うと言う人もいるかもしれないが、エンタメに振り切るとこんな感じではないだろうか。

「フィリップ、きみを愛してる!」(2010年公開)
(ジム・キャリーとユアン・マクレガーのコメディ映画です)

では、またどこかで。

作品ポスター:(C)2021FreibeuterFilm・Rohfilm Productions

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