映画「AWAKE」を観ました。
良作です。
将棋の電脳戦を題材にした映画。
プロ棋士になれずAI将棋の道を進む男とプロ棋士を突き進む2人の男の物語です。
【映画情報】
タイトル:AWAIKE(アウェイク)
監督:山田篤弘
出演:吉沢亮 若葉竜也
公開:2020年12月
上映時間:119分
<あらすじ>
幼少時から棋士を目指してきた英一は、大事な対局で同世代の天才棋士・陸に破れたことでプロの道を諦め、普通の学生に戻るべく大学に入る。ずっと将棋しかしてこなかった彼は周囲と関わりを持つことが苦手で、なかなか友人ができずにいた。そんなある日、ふとしたことで出会ったコンピュータ将棋に心を奪われた英一は、AI研究会で変わり者の先輩・磯野の手ほどきを受けながら、プログラム開発にのめり込んでいく。
https://eiga.com/movie/93615/
ざっくり解説
この映画は事実が題材のフィクションです。
実際にあった将棋の電脳戦(人とAIが勝負する)をモチーフに物語を作っています。
奨励会はプロ棋士になる為の研修機関みたいなところ。
プロになる為には奨励会で勝利しなければならず且つ年齢制限もあるので、努力しても必ず報われるわけではない、年齢制限を超えてしまうとプロにはなれず終わってしまう厳しい世界です。
劇中でも描かれてますが、英一(吉沢亮)のように24時間ずっと将棋の事だけを考えている生活の人は実際にいるようです。
大崎善生の「聖の青春」や「将棋の子」を読めば詳しく知る事が出来ます。とても面白いノンフィクションです。
吉沢亮と若葉竜也が渋い!
2人の男の生き様が描かれていますが、
演じている吉沢亮と若葉竜也の演技がすごく渋く、良いオーラを放っています。
吉沢亮が演じる英一は、ひたすら将棋の事だけを考えている男。
プロ棋士を諦めて普通の大学生になろうとしても、どうしても馴染めない姿や
AI将棋を知ってどんどんのめり込んでいく姿が印象的です。
多く語る訳でもないのに、英一がどんな生き方をして来たのかが本当によく伝わって来ました。
若葉竜也演じる陸は、無邪気な少年なんだけど将棋はめちゃくちゃ強い!まさに天才という感じです。
大人になってからも頭の中は将棋の事だけで、他の事には興味がない男です。
2人の青年がどんな人生を歩んで来たかが、とても良く伝わって来ました!
少ないやり取りで見せる背景
英一と陸の2人のやり取りは、実はそんなに多くのシーンは無いのです。
ただし、お互いはずっと意識している事がよく判ります。
奨励会時代の大一番の勝負の後、去った英一を静かに探す陸の姿はなんとも言えない寂しさを感じた。
彼らは友達という訳でもないのでプライベートでの絡みもなく、ただ勝負をする関係で、そこに全てを懸ける姿が胸を打ちます。本当にストイックなんですが、どこか憧れる関係です。
エンタメ要素が少ない
この映画の残念なところは、エンタメ要素が少ないという事です。
将棋が題材になっているので、どうしても大きな盛り上がりを作りにくいです。
勝負している時も表情や目線など細かな動きで静かに緊張感を伝えているのは良いのですが、それだけでは、盛り上がりが足りなかったのでは無いかと思いました。
真正面から描きすぎたという印象です。
これが良いという人も多くいるとはずですが、もっと良くなる可能性もあったなと思います。
まとめ
将棋の事は詳しくなくても全然楽しめる映画です。
なんだかんだ言っても良い映画で、観た後に晴れやかな気持ちになれました。
個人的にはラストシーンはすごく好きです。
<映画の評価>
☆5個/8個満点
*6個に限りなく近い。
では、またどこかで。
作品ポスター・画像 (C)2019「AWAKE」フィルムパートナーズ 引用:https://awake-film.com/
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