「闇の列車、光の旅」を観ました。アメリカへ移民しようとする人達の過酷な旅に、胸が苦しくなった。
映画情報
タイトル:闇の列車、光の旅
出演者:パウリーナ・ガイタン、エドガー・フロレス
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ
公開:2010年6月
上映時間:96分
ホンジュラス出身の少女サイラは、父と叔父とともに移民たちでひしめく列車でアメリカを目指し旅立つ。道中、メキシコの強盗集団に襲われたサイラは、彼らの一味である青年カスペルに命を救われる。その後、サイラは裏切り者として組織から追われるカスペルと行動を共にし、国境を目指すが……。
(映画.com) https://eiga.com/movie/55138/
監督について
監督:キャリー・ジョージ・フクナガについて1977年生まれ。父親が日系三世で母親の祖父がスウェーデン系らしい(Wikipedia情報)
フクナガという名前でだけど、写真を見る限り日本の血統はかなり薄いんだろうなーという印象です。
本作が彼のデビュー作になります。
作品歴としては映画「007ノー・タイム・トゥ・ダイ」や海外ドラマ「TRUE DETECTIVE」があります。私は「TRUE DETECTIVE」で彼に興味を持ちました。このドラマは私の生涯で一番好きな海外ドラマなのです。
今後もキャリー・フクナガ氏の作品は、全て追っかけたいと思っています。作風としては、人間ドラマの描き方が上手く、派手は演出よりも渋くリアルにみせる事が多いです。
観ていない方は是非「TRUE DETECTIVE」
過酷な移民の旅
本作を作るに当たり、実際に列車に乗って移民した人や元ギャングの人に取材を多く行ったらしい。
その為、実施の移民がどんなものかを知らない自分でも「きっとこれが現実なんだ」と思わせる細かく丁寧な描写でした。そして感じた事は、日本でぬくぬく育った私には想像も出来ない過酷な現実があるという事です。
抜け出したくても難しい現実。その現実に染まるか、抜け出すしかない。染まると言っても、間違っているという事を認識しながらも、それに蓋をして突き進むしかないというもの。
だから歪んだ信念を持ってしまう。それが嫌になった青年カスペルは、少女を助けて、どこかに行こうとしていたのだと思う。
そして、ギャングのネットワークや執念深さには驚かされました。
もう少し工夫がほしい
アメリカを目指すサイラと、ギャングから逃げるカスペルの行動にもう少し工夫が欲しかった。
2人の心情をもっと深く知りたいと思ったし、何か展開があっても良かったのではないかと思う。
展開が無いわけではないが、全てリアルに沿ってしまっている。もう少し何かフィクション要素が入ると、もっと面白くなったのではないだろうか。
単に2人でギャングから逃げるだけでは、想像の範疇を超えない。「まぁ、そうなるよね普通」となってしまう。リアルと言えばそうですが・・・。
まとめ
移民の過酷な現実と、メキシコのギャングの現実は、細部まで描かれていたと思うが、それだけで終わってしまった事が残念だった。
監督からのメッセージ性のようなものを感じたかった。
<映画の評価>
☆5個/8個満点
では、またどこかで。
配信では観る事が出来ないのが、残念です(2022年12月)
<DVD>
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