映画「哀れなるものたち」の感想を書いてます。
一言でおかしな世界です。観た人のなかには「何じゃこりゃ!」と感じる人もいると思います。
好みは分かれると思いますが、私はとても大好きです。
欲を言えば、初期作品の豪華版といった感じでさらなる変態性が観たかったです。
<映画の評価>
☆5個/8個満点
(評価の目安:☆6個以上は自信を持ってオススメ!)
映画「哀れなるものたち」作品情報
タイトル:哀れなるものたち
出演者:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィリアム・デフォー
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:トニー・マクナマナ
原作:「POOR THINGS」アラスター・グレイ
公開時期:2024年1月26日
上映時間:148分
備考:エマ・ストーンが本作で第96回アカデミー賞の主演女優賞を受賞
映画「哀れなるものたち」あらすじ
不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。
引用(映画.com):https://eiga.com/movie/99481/
いかにもヨルゴス・ランティモス監督が作りそうな変な物語のあらすじです。
脚本は「女王陛下のお気に入り」と同じトニー・マクナマナです。
監督が脚本を書いているのかと思ってけど、おかしな世界をちゃんと共有出来る人がいるのは驚き。
映画「哀れなるものたち」原作
原作:「POOR THINGS」アラスター・グレイ
原作があるとは意外でした。ヨルゴス・ランティモスの世界とぴったりとハマりそうな原作です。
原作者についての紹介も載せておきます。
アラスター・グレイは、1934年、グラスゴー生まれ。スコットランドを代表する小説家。画家、劇作家、脚本家としても活躍した。美術学校在学中に執筆をはじめ、三十年近い年月をかけて完成させた初長篇『ラナーク 四巻からなる伝記』(1981)がアントニイ・バージェス、デイヴィッド・ロッジ、ブライアン・オールディスらから絶賛され、母国のみならず英文学においても主要作家となった。リアリズム、ファンタジー、SFが入り交じる作風が特徴。自筆のイラストを装幀、挿絵に使用することで知られる。『ラナーク』のほかに短篇集『ほら話とほんとうの話、ほんの十ほど』の邦訳がある。1992年発表の本書は長篇第六作にあたり、ウィットブレッド賞、ガーディアン賞をダブル受賞した。名実ともに著者の代表作である。2019年没。
引用(アマゾン):https://www.amazon.co.jp/%E5%93%80%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%A1-%E3%83%8F%E3%83%A4%E3%82%AB%E3%83%AFepi%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%AF-7-1-epi111/dp/4151201114
映画「哀れなるものたち」キャスト
エマ・ストーン(ベラ・ダクスター 役):1988年/アメリカ・アリゾナ州出身
美しいだけでなく、狂っているのかと思うくらいに役に入り込んでいむ女優さんです。そして、プロデューサーもやるという多才な人
他の出演作:「女王陛下のお気に入り」「ラ・ラ・ランド」
マーク・ラファロ(ダンカン・ウェダバーン 役):1967年/アメリカ・ウィスコンシン州出身。
渋い役から、今回のようなおかしな役まで幅広くこなす俳優さんです。
他の出演作:「スポット・ライト世紀のスクープ」「はじまりのうた」
映画「哀れなるものたち」監督
監督:ヨルゴス・ランティモス/1973年生まれ・ギリシャ出身
この人の映画を初めて観た時は「この監督は頭おかしいな・・・」と衝撃を受けた。
発想もおかしい上に、演出もおかしい!
しかし、目が離せないという中毒的な演出をしてくれる人です。
本作でかなり注目を浴びてますが、彼の変態性は初期の作品の方がもっと出ていると思います。観てない人は絶対に観て欲しい。
私は「ロブスター」で初めて彼の作品と出会って、全てを観てますが下記の2作は特にヤバいです。
他の作品:「ロブスター」「聖なる鹿殺し」
映画「哀れなるものたち」感想
では、ここから「哀れなるものたち」の感想を書いていきます。ネタバレは書いてないですが、内容には触れております。
完成されたおかしな世界!
ここまで振り切った変な世界を演出できるのは、ヨルゴス監督しかいない!
もはや安定のおかしな設定
私は、ヨルゴス・ランティモス監督の映画を初期から観ていて本作で、5作目になります。
最初はインパクトが強かったですが、もはやこのおかしな設定はいつも通りといった感じです。
それでも驚かされます。「これが観たかったんだ!」と中毒になっております。
良い意味で期待を裏切らなかい変態です。
絶対に他の監督には演出できない世界がここにあります。
エマ・ストーンの体をはった演技
この映画でもっとも強烈な描写は、やはりエマ・ストーンの体をはった演技でしょう。
R18だけあって、性描写がめちゃくちゃ出てきます。この映画のプロデューサーを務めているエマ・ストーンはこの映画にはこれが不可欠だと判断したのだと思います。
確かに設定上、この多くの性描写がないと物語が成立しないです。
さらに原作がなんと訳しているのか分からないですが、セックスを「熱烈ジャンプ」と訳しているセンスは素晴らしいです。
セックスという名称すら知らない子が、自分で名前を付けた雰囲気が出ています。
テーマがインパクトに欠けてしまう
映画は確かに素晴らしいです。
素晴らしいのですが、今までのヨルゴス監督の作品はインパクトが強かっただけに、もう少し何か強烈なものを求めてしまいます。
多分、これ以上に強烈なものを求めてしまうと破綻してしまうのだろうなぁと思うのですが、それでも何か強烈なものを欲してしまいました。
そして、やはり原作ものではなくオリジナルが観たいなと・・・。
最後に
ヨルゴス監督の映画を観た事がない人にとっては、かなり強烈な映画になっていると思います。
今回の映画はメッセージ性もあって、色々と考えさせれるものになってます。
本作を気に入った人は、他の作品を観て欲しいです!
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