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映画「バティモン5 望まれざる者」弱者の怒りが詰め込まれた作品です。秀作!

新作映画(2024年公開)

社会派ドラマが好きな私にとっては、どストライクなテーマでした。
抑圧される移民系の労働者階級の人たちと、治安改善と進めようとする人たちの描き方が、非常にわかりやすかったです。

ただし、もう少し映画としてのメッセージが欲しかったな・・・。

ただ現状を描いているだけで終わったという印象でした。

<映画の評価>
☆5個/8個満点
(評価の目安:☆6個以上はオススメ!)

映画「バティモン5 望まれざる者」作品情報

タイトル:バティモン5 望まれざる者
出演者:アンタ・ディアウ、アレクシス・マネンティ
監督:ラジ・リ
脚本:ラジ・リ、ジョルダーノ・ジェデルリーニ
公開時期:2024年5月24日
上映時間:105分

映画「バティモン5 望まれざる者」あらすじ

労働者階級の移民の人々が多く暮らすパリ郊外の一画・通称「バティモン5」では、再開発のため、老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた。そんな中、前任者の急逝により臨時市長に就任したピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策を強行することに。住民たちはその横暴なやり方に猛反発し、ケアスタッフとして移民たちに寄り添ってきたアビーらを中心とする住民側と、市長を中心とする行政側が、ある事件をきっかけについに衝突。やがて激しい抗争へと発展していく。

引用(映画.com):https://eiga.com/movie/101213/

あらすじには書いてませんが、
パリ郊外に存在する“10階建てのスラム”の一画=通称「バティモン5」という意味らしいです。

映画の内容は、あらすじ通りです。残念な事に、このあらすじが映画のほぼ全てになっていて、あらすじに書いてある以上の展開がない・・・。

演出は良いんですが・・・・。

映画「バティモン5 望まれざる者」キャスト

アンタ・ディアウ(アビー 役):ケアスタッフとして弱き住民に寄り添う

引用:https://block5-movie.com/#cast

フランス、クレイユ出身。大学で学業を続け、スタートアップ企業に就職するが、新型コロナウイルス感染症対策の行動制限時に1週間の演技のワークショップを受講。それをきっかけに女優を目指し始める。キム・シャピロン監督の『Le Jeune Imam』(23/未)のオーディションで脇役を獲得し、その後ラジ・リ監督に見出され、本作で自身初の主演に抜擢された。

引用:https://block5-movie.com/#cast


アレクシス・マネンティ(市長役):急遽代理をやる事になった。クリーンな政治を目指す。

引用:https://block5-movie.com/#cast

1987年2月12日生、フランス、バニョレ出身。フレッド・カバイエ監督『友よ、さらばと言おう』(14)や、サマンサ・モートン主演のクライムアクション『The Last Panthers(原題)』 (TVシリーズ/15)、ロマン・デュリスとオルガ・キュリレンコが共演したフランス製サバイバルスリラー『ザ・ミスト』(18)、ラジ・リ監督『レ・ミゼラブル』(19)、ラジ・リ製作・脚本のNetflix映画『アテナ』(22)などに出演。ラジ・リ監督が立ち上げたアーティスト集団クルトラジュメのメンバーでもあり、監督とは古くからの付き合いがある。

引用:https://block5-movie.com/#cast

アリストート・ルインドゥラ(ブラズ役):市長の政策に強く反発する男

引用:https://block5-movie.com/#cast

少年時代から俳優への夢を抱き続け、経済学の学位を取得した後、プロの俳優としての訓練を受けることを決意。クール・フローラン演劇学校で1年学んだ後、CNSAD(国立高等演劇学校)の入学試験に合格。本作は映画出演デビュー作となる。

引用:https://block5-movie.com/#cast

映画「バティモン5 望まれざる者」の感想

引用:https://block5-movie.com/

排除しようとする側/体制に怒りをぶつける側、それぞれの立場で考え方・感情を見事に表現している!この演出は間違いなく上手い!なぜなら目が離せなくなったからだ!

渦巻く怒りが伝わってくる

持たざる者(この映画では、主に労働者階級の移民たち)に押し付けらるストレスが、常に重たくて、ずっと渦巻いている怒りが伝わってくる。

この「怒り」がいつ、どんな形で爆発してしまうのだろうか?とハラハラしながら観てしまったし、彼らの怒りに自分の心も震えてしまった。

弱者の若者・的外れな政治家の考えをわかりやすく風刺

排除される側は、主に若者視点で描かれています。彼らは、現状を何とかしたいと思ってはいるけど「どうせ無理だ」という諦めも半分感じています。

そして、体制側(市長側)は町をクリーンしたいと考えているが、やっている事が現実とかけ離れている。決して私利私欲に走っているわけでもないのに「何故上手くいかないんだ!何故反発するんだ」と焦っています。

この両者の描かれ方は、非常に分かりやすく、日本でも同じような事が当てはまっていると思います。どこも同じようなものか・・・と共感してしまった。

監督からのメッセージ性が欲しかった(ネタバレ)

映画「バティモン5 望まれざる者」の残念だったところを書いております。
ネタバレになってしまいますので、読まれる方はご注意ください。

「結局、どうするの?」ってところで終わってしまうんです。

市長の一方的な政策によって、クリスマスに団地を追い出されてしまう。これに我慢の限界を超えてしまった若者が、市長宅へ襲撃に向かう。しかし、仲間の説得の末に寸前のところで踏みとどまる。

これがラストです。この後が一番大事じゃないかと思うんですが、終わってしまうんです。

観ていて「え?ここで終わり?」となってしまった。フィクションなので、ここで監督なりのメッセージと言える展開が観たかったです。

何か希望を見せるのか?その逆でも良いのですが・・・客に委ねるのはちょっと違うなーという感じでしたね。

最後に

華やかイメージのあるパリにこんな現状があるとは知らなかったので、そんな事を知れただけでも観る価値はあったと思います。

社会派ドラマが好きな人にはおすすめです。

「ファミリア」よりは、100倍シリアスでリアルを感じる事ができた。
これは、反面教師と言える失敗例の描き方です。

また観てないけど「マイスモールランド」も興味ある!

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