原爆を作り出した男の話だという事で、公開前からかなり話題になっていたし、日本人としては非常にセンシティブなテーマの映画でした。
私の見た感想としては、オッペンハイマーの人生に重きを置いていて、それについてはよく描けていたなと思います。
ただし、もう少しわかりやすく演出しても良かったのでは?と感じたし、180分は退屈しなかったけど、もっとまとめられた気がします。
<映画の評価>
☆5個/8個満点
(目安:☆6個以上はおすすめです!)
映画「オッペンハイマー」作品情報
タイトル:オッペンハイマー
出演者:キリアン・マーフィ、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニーJr.
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン
公開時期:2024年3月29日
上映時間:180分
備考:第96回アカデミー作品賞作品、他に監督・主演男優・助演男優・撮影・編集・作曲賞を受賞している。
映画「オッペンハイマー」あらすじ
第2次世界大戦中、才能にあふれた物理学者のロバート・オッペンハイマーは、核開発を急ぐ米政府のマンハッタン計画において、原爆開発プロジェクトの委員長に任命される。しかし、実験で原爆の威力を目の当たりにし、さらにはそれが実戦で投下され、恐るべき大量破壊兵器を生み出したことに衝撃を受けたオッペンハイマーは、戦後、さらなる威力をもった水素爆弾の開発に反対するようになるが……。
引用(映画.com):https://eiga.com/movie/99887/
あらすじだけを読むと、あまり複雑に思えないのですが、映画の中で時間軸が入れ替わっているので、ちょっと混乱します。
これから、観る人は上記のあらすじだけを覚えておけば迷わないと思います。
<原作>
原作は「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」をベースにしているらしい。
映画「オッペンハイマー」キャスト
キリアン・マーフィ(J・ロバート・オッペンハイマー 役):1976年/アイルランド・コーク出身。
これまでノーラン作品で常連でしたが、今回は主演。しかし、個人的には彼は名脇役のイメージが強く今回の主演には少し疑問でした。
観た感想としては「オッペンハイマー」役には合っていたなと思います。役柄的にあまり強烈な印象を与える人じゃ合わないんですね。
エミリー・ブラント(キャサリン・オッペンハイマー 役):1983年/イギリス・ロンドン出身。
オッペンハイマーとは逆にインパクトある存在感を出してました。最初はただの綺麗な女優という印象だったのですが、目を惹きつける演技をする人です。これまでも、これからも色んな映画にひっぱりだこのようです。
私のおすすめの出演作:「ボーダーライン」
映画「オッペンハイマー」監督
監督:クリストファー・ノーラン(1970年生まれ/イギリス・ロンドン出身)
「バットマン」シリーズ「TENET テネット」などの大作を送り出してきた。超大物監督です。
彼の作る映像は、スケールが大きくて、観て圧倒されます。なので、彼の映画ファンはかなり多いです。
これからも大作を撮り続けると思います。
私の好きな作品:「インセプション」
映画「オッペンハイマー」の感想
ここまで壮大なスケールで、社会的なテーマを扱ったら「そりゃアカデミー賞取れるわ・・」って穿った見方をしてしまいますね。
映画のクオリティはすごく高いです。それだけにもっと深く感情的なものにして欲しかった。
ひとりの科学者の苦悩を丁寧に描かれている
最初にも書きましたが、この映画ではひとりの科学者の人生(主に苦悩)が描かれています。
J・ロバート・オッペンハイマーの人生がどんなものだったのかを知り、どんな事を思っていたのかを知るには、よく出来た映画だと思います。
個人的には、オッペンハイマーの感情の揺らぎをもっと分かりやすく見せて欲しかった。たぶん、彼自身は科学者なので激しく感情を表に出さない人なんだろうなと感じました。
それでも、もう少し誇張してもよかったんじゃないかと思った。
楽しめる映画ではない
私は、公開して4週目くらいに映画館で見たのですが、ほぼ満員でした。
やはり題材が原爆だし、アカデミー賞作品という事もあって認知度が高いです。
ただ、カップルや友達同士で楽しそうにやってくる姿が気になりました。しかも時間ぎりぎりか、ちょっと過ぎて入ってくる人も多くて、普段は映画観ない人たちなんでしょう。
何が言いたいかと言うと、話題の映画だとしても、これは「楽しかった!!」となるタイプのものではないです。
カップルや友達同士で観ても全然良いですが、楽しみ映画ではないです。むしろ観終わったら暗い気持ちになります。
マット・デイモンが良い脇役だった
個人的には、マット・デイモンがとても良い味を出していたと思います。
普段は主役が多い彼が、見事に脇役に徹していました。オッペンハイマーを原爆のプロジェクトに誘う役柄ですが、とても人間味を感じる芝居でした。
オッペンハイマーの静かな表現とは対照的で、印象的でした。
時間を入れ替える構成は必要だったのか?疑問
オッペンハイマーの人生を大きく、学生時代・原爆実験・その後 の3つの時間軸で構成しているのですが、頻繁に入れ替わってしまう事に疑問を感じてしまった。
ストレートな時間軸では描けなかったのだろうか?
まず、時間軸の入れ替えがあると「これはいつ事?」っと一瞬考えてしまう。分からないという事はないが、考えてしまうので物語に集中できない。
入れ替えた事によって生まれるメリットもあるだろうが、デメリットの方が多かったのではないかと感じてしまった。
最後に
色々とマイナスな事を書いてしまったが、結論としては観てよかったなと思ってます。
ここまでのスケールで1人の科学者を描いている映画はなかなか無いです。観終わった後に、オッペンハイマーや原爆に関して、自分なりに色々と考えるきっかけになりました。
では、またどこかで。
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