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映画
「籠の中の乙女」 気持ち悪い。教育への風刺です。狂った世界観が好きな人にはおすすめ。

映画(2023年以前の公開)

映画「籠の中の乙女」を見ました。気持ち悪い内容です!
映画「ロブスター」を見て、ヨルゴス・ランティモス監督の作品が気になって観たのですが、こっちの方がもっとヤバい内容でした。

映画情報・あらすじ

【映画情報】
監督・脚本:ヨルゴス・ランティモス
製作国:ギリシャ
制作年:2009年
日本上映:2012年8月
備考:R−18作品(もろだしです)気を付けて下さい。

<簡単なあらすじ>
ギリシャのとある郊外の家。そこには5人の家族が住んでいました。父、母、長男、長女、次女。子供3人は成人していますが、一度も家の外に出た事はありませんでした。それは父の教育によるものでした。子供たちは父の教育のもと、外の世界はとても危険だと認識していました。そとにはとっても怖いネコがいるのです。しかし、長男の性欲処理として連れてきた外の女性が余計な事をしてしまい・・・とんでもない事になるのです。

よくこんな映画を作ったものだ!と感心します。ヨルゴス・ランティモスの映画は気持ち悪いのですが、クセになってしまいます。

まともじゃない内容

「健全な家庭には狂気が宿る」というキャッチコピーがありますが、はっきり言って全く健全に見えないです。もちろんそういう狙いです。

劇中の家庭内では至って健全なのです。これを延々と見ていると、とても気持ち悪くなるのです。あまりマイナーな映画を見慣れてない人が見たら途中で辞めてしまうのではないでしょうか。

それくらいこの映画は気持ち悪いです。予告編や場面場写真などは美しい描写に見える箇所もあるのですが、本編はそんなものではありません。

やばいシーン

全編にわかって異常なシーンの連続です。

特に私がヤバいなと思ったのは
「長男の性欲を処理させる為に姉妹のどちらかを選ばせる場面」と
「凶悪なネコに対抗する為に犬の鳴きまねを必死に訓練する場面」

そして
「親同士が声を出さずに口の動きだけで会話する場面」も異常でした。

教育への風刺

自分の教育が正しいと言えるか?と風刺しているのだと感じました。子供への教育は家庭内で親が行う部分が大半を占めるのではないだろうか?幼ければ幼い程それは大きくなると思います。

自分の教育が絶対に正しいとは限らないし、そもそも絶対に正しい教育なんて存在しないように思う。それでも世の中には自分の教育が絶対だと信じて疑わない人がいる。それは、子供を自分の思うままに操作しているだけなのかもしれない。

この映画では家の外の世界を絶対的な悪の世界だと決めていた。行き過ぎた自分勝手な教育を滑稽に描き、その気持ち悪さを思いっきりぶつけられます。

自分にも子供がいるので、自分勝手になっていないか?と少し考えさせられました。

当たり前ですが、この映画では異常な描写で家庭内の教育を描いています。でももしかしたら世界のどこかにこの家庭があるかもしれないと思うととても怖いです。
違った意味でのホラーです。

これがヨルゴス・ランティモス

この監督の映画はざっくりと言うと「もしも○○だったら?シリーズ」です。とても安っぽく感じるかもしれませんが、根幹はそれだと思います。

おそらく疑問に感じている事を風刺する上で、行き過ぎた世界を作っているのだと思います。

下手すると嘘っぽくなってしまうのですが、監督の巧みな演出によって異常な世界が成立しています。徹底的にディティールに拘っているのではないでしょうか。

エンタメ要素はない

もう一個特徴を上げると、彼の映画は決して楽しませてくれる映画ではないです。コチラから楽しむ映画です。こいつは何をやってるんだ?と考える事を楽しんで下さい。

そして、これだけは気を付けて欲しいのですが、絶対に!絶対にデートで見てはいけない映画です。劇場でも部屋でDVDを借りて見てもいけません。

まとめ・評価

とても見た後に気持ちの悪い映画でしたが、今度は何をテーマに作るのだろう?と楽しみになっています。また別の異常な世界を見せてくれる事を期待しています。

<映画の評価>
☆4個/8個満点

作品ポスター:(C)2009 BOO PRODUCTIONS GREEK FILM CENTER YORGOS LANTHIMOS HORSEFLY PRODUCTIONS – Copyright (C) XXIV All rights reserved

では、またどこかで。

<DVD>

<Amazon Prime Video>

配信情報(2023年4月)

見放題:U-NEXT
タンタル:Amazon Prime

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