映画「エンパイア・オブ・ライト」を観ました。多分この映画を悪く言う人は居ないでしょう。それくらい完成度の高い映画だと思います。ただし大きな感動があるかと言えばそうでも無かった。
映画情報
タイトル:エンパイア・オブ・ライト
出演者:オリビア・コールマン、マイケル・ウォード
監督:サム・メンデス
公開日:2023年2月23日
上映時間:115分
<あらすじ>
厳しい不況と社会不安に揺れる1980年代初頭のイギリス。海辺の町マーゲイトで地元の人々に愛されている映画館・エンパイア劇場で働くヒラリーは、つらい過去のせいで心に闇を抱えていた。そんな彼女の前に、夢を諦めて映画館で働くことを決めた青年スティーヴンが現れる。過酷な現実に道を阻まれてきた彼らは、職場の仲間たちの優しさに守られながら、少しずつ心を通わせていく。前向きに生きるスティーヴンとの交流を通して、生きる希望を見いだしていくヒラリーだったが……。
引用(映画.com):https://eiga.com/movie/97743/
サム・メンデス監督の他の作品
今回は少しネタバレの内容を書いてますので、ご注意下さい。
感動までいかない内容
映像はとても素晴らしいです。さらに美術、撮影の完成度は高く感動すべく舞台は整っているですが、肝心の物語に入っていけない・・・・・。
何故か?主人公ヒラリーとスティーブンの関係に未来を感じなかったからだと思う。2人がいつまでも良い関係でいる事があるのか?とずっと疑問に思いながら観てしまった。
ヒラリーは統合失調症で不安定な状態であり、スティーブンは黒人差別に怒り・やるせなさの感情を持った状態である。
いつ崩れるのかとヒヤヒヤする関係性は観ていて「やっぱりね・・・」となってしまうし、それがきっかけで更にひどい状態にもなったりする。
設定上、ここまで深い関係にしなくても良かったのでは?と思う。どこか崩壊ありきの状態からの立ち直りに見えてしまって、ヒラリーとスティーブンに共感出来ず、応援も出来ないまま終わってしまった。
色々と惜しい
奇跡と感動のストーリーは感じなかったけど、惜しいところばかりだった。海辺にある映画館は、時代を感じさせながら、お洒落な作りになっている。行ってみたいと思えるくらい。
撮影監督のロジャー・ディーキンスはアカデミー賞常連の名カメラマンだけあって、美しい映像を見せてくれる。
さらに共感出来ないとは書いたが、オリビア・コールマンをはじめ出演者全員の演技は素晴らしい!それだけに、脚本をもっと工夫して欲しかったなと思う。シーン毎で言えば良いシーンは幾つもあります。シーン単体で見れば凄く良いので、予告はほんとに素晴らしい出来になってます。
本作はサム・メンデス監督が脚本を書いているのですが、別の人が書くべきだったのではないだろうか。
まとめ・評価
色々と残念だったと書きましたが、レビューを読むと本作を傑作と褒めている人も多くいます。自分には合わなかったけど、観る人の好みによるとは思います。
私が残念に思ったのはハードルが高かった為かもしれません。興味のある人は気軽に観る方が良いでしょう。
<映画の評価>
☆4個/8個満点
作品ポスター:(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
コメント