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映画「すばらしき世界」感想。
マジで素晴らしい映画!生きづらさを見事に描いた秀作。

映画(2023年以前の公開)

本当に素晴らしい映画だった。映画の中で描かれている世の中は素晴らしいとは程遠い・・・しかし、そんな汚れた世界の中にも、良い物もあると思わせてくれた。

「何故もっと早く観なかったのか!」と後悔したくらいの秀作です。

<映画の評価>
☆7個/8個満点
(評価の目安:☆6個以上は自信を持ってオススメ)

映画「すばらしき世界」作品情報

タイトル:すばらしき世界
出演者:役所司、仲野大賀、六角精児、橋爪功
監督:西川美和
脚本:西川美和
公開時期:2021年2月11日
上映時間:126分
原案:佐木隆三(「身分帳」)

映画「すばらしき世界」あらすじ

殺人を犯し13年の刑期を終えた三上は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、身元引受人の弁護士・庄司らの助けを借りながら自立を目指していた。そんなある日、生き別れた母を探す三上に、若手テレビディレクターの津乃田とやり手のプロデューサーの吉澤が近づいてくる。彼らは、社会に適応しようとあがきながら、生き別れた母親を捜す三上の姿を感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていたが……。

引用(映画.com):https://eiga.com/movie/92069/

あらすじを読むと、三上(役所広司)という男が何かの騒動に巻き込まれていくような予感がしますが、実際は三上を中心にいろんな事が起こります。受け身ではないです。

この映画は、あらすじを書くのが難しいと思います・・・・。

なので、あらすじだけ読んで「やめとこ・・・」とならずに、是非観て欲しいです

映画「すばらしき世界」原案

原案になっている小説がある。佐木隆三「身分帳」(1990年)

私は、佐木隆三さんの本はを冊読んだくらいで、実際にあった事件(ノンフィクション)を書いているイメージでした。それは晩年の作風だったんですね・・・。

恥ずかしながら、直木賞作家で著名な小説を多く執筆されている事を知った。

「復讐するは我にあり」を書かれた方だったとは。無知ですみません。

映画「すばらしき世界」キャスト

役所広司(三上正夫 役):1956年/長崎出身。
この三上正夫という役は、役所さんが演じているから成立しているなと思えるキャラクターでした。
曲がった事が嫌いだけど、努力するのは面倒だったり、かわいい所もある。
すごく人間味があって愛される人物像でした。

他の出演作:「狐狼の血」「三度目の殺人」
私のおすすめは「狐狼の血」

仲野太賀(津乃田龍太郎 役):1993年/ 東京出身。
こちらもとても良い味出してました。色んな映画で存在感を出している若手俳優です。

他の出演作:「愛にイナズマ」「あの頃。」「笑いのカイブツ」

映画「すばらしき世界」監督

監督:西川美和(1974年/広島出身) 
「蛇イチゴ」でデビューして以来、発表する作品のほとんどが高評価を得ている監督です。ほぼオリジナル脚本で撮っていて、作品数は少ないがハズレが無い印象。

他の作品:「永い言い訳」「夢売るふたり」「ディア・ドクター」
私のおすすめは「ディア・ドクター」

映画「すばらしき世界」の感想

ここから、映画「すばらしき世界」の感想を書いていきます。後半で考察しているところは、少しネタバレになっております。

この世界は生きづらく、あたたかい

引用:https://wwws.warnerbros.co.jp/subarashikisekai/

「この世界は生きづらく、あたたかい」
これは映画の宣伝チラシに書かれている言葉です。本当にその通りだなと思う内容なんです!

主人公・三上は、決してほめられた人間ではないです。ただ、根っからの悪党というわけでもない。

三上を取り巻く環境が、悪い方向に影響してしまったんだろうな・・・・と感じてします。環境だけのせいにしてはいけないのですが、環境が違えばもっと真っ当な生き方が出来ていたように思える。

そう思わせる演出が、見事過ぎる!

今度こそは真面目に生きる!と決意した三上の周囲には善意にあふれた人たちが集まってくる。しかし、三上を取り巻く環境は生きづらいもので・・・という。世の中の生きづらさについて深く考えるようになりました。

役所広司の芝居が上手すぎる!

三上を演じる役所広司の芝居が上手すぎます。

曲がった事が嫌いで、怒りやすくて、それでいて客観的に見るとかわいらしく思えるキャラクターを見事に演じています。

本当にこの役は役所広司にしか出来ないだろうと思ってしまう。

途中から、役所広司演じる三上をずっと応援してしまうのです。ここまでキャラクターに愛を持たせられるのは海外の映画も含めてレアな事です。

考察:三上の変化は正しいのか?(ネタバレ)

三上が周囲の人に支えられて、どうにか真っ当な道を歩めそうになった時、彼はある決断に迫られる。

仕事場でいじめの現場をみてしまう。三上は曲がった事が嫌い。しかもすぐに手を出してしまう人柄である。普段であれば、すぐに飛び掛かるところ。

しかし、今の仕事を世話してくれた多くの仲間のことを考えて、自分を抑えてしまうのです。

この変化が正しかったのか?

とても難しい問題を突きつけられているように感じました。暴力を振るわずに解決できれば一番良いが、そんなスマートな人間でないことは明らかです。

不器用な人間が、上手く生きていくことの難しさを表していると思いました。この変化(周囲に流されてしまう事)が、何か大切なものを無くし、取り返しのつかない大きな間違いなのかも??と考えてしまう。

最後に

本当に素晴らしい映画なので、観ていない人には是非おすすめしたいです!

今までオリジナル脚本で映画を撮ってきた西川監督が、何故「身分帳」という小説を元に本作を撮ろうと思ったのか?興味深いです。

西川美和監督の映画は、ハズレ無しなので他の映画も是非!

映画「すばらしき世界」配信・DVD情報

見放題:Amazon prime
レンタル:TELASA

<DVD>

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